新卒、中途に関わらず病院薬剤師、特に大学病院の薬剤師に興味がある人はいると思います。
この記事では新卒で大学病院薬剤師として働いていた私が経験から感じた大学病院で働くメリット・デメリットをご紹介します。
大学病院は薬剤師としてのスキルアップを目指す人にはおすすめの環境です。一方、薄給であることが多く、すぐにでもがっつり稼ぎたいという人にはおすすめし難いです。
大学病院で働くメリット
若手薬剤師が多い
大学病院は若い薬剤師が多いです。自分より2~3年上の先輩たちの姿を見ることで、自分がこれからどのように成長していくべきかをイメージしやすかったです。同期や年の近い先輩たちと共に学んでいこうという雰囲気があり、励みになりました。いろいろな薬剤師がいるので、この先輩のようになりたいと目標となる人にも出会うことができるでしょう。
研修が充実している
大学病院は医療機関としての役割だけでなく、教育・研究機関としての役割もあります。そのため、研修制度が充実していることが多いです。実際、私が働いていた病院は新人研修だけでなく、経験年数に合わせた研修がありました。
資格取得に積極的
大学病院は認定薬剤師や専門薬剤師の資格取得に積極的であることが多いです。また、各種資格を取得している先輩も多数いて、先輩や上司から資格取得までに必要な勉強や準備を教えてもらうことができます。また、学会発表や論文の執筆が必要な資格取得も経験者が周りに多くいることで取り組みやすくなります。大学病院は認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得したい人にはおすすめの環境と言えるでしょう。
大学病院で働くデメリット
業務分担が細かく業務範囲が狭くなりがち
薬剤師の人数が多い病院では業務分担が細かくされている場合が多いです。調剤室、注射室、化学療法室、病棟、DIというように細かく係が分けられており、他の係の仕事にはほぼタッチしないということもあります。1年目の新人研修では各係を一通り経験できるようになっていました。病院によっては一度配属されると係の異動があるまで他の係の仕事に関わることがほぼなくなるということもあります。
早いうちから幅広い業務を経験していきたいという場合は就活の際に業務分担について確認しておくと良いでしょう。
当直がある
大学病院に限った話ではありませんが、当直があります。私の場合、当直は月に1〜2回でしたが、土日を跨ぐ当直が入ると連勤になってしまうこともありました。当直があるとどうしても勤務が不規則になってしまうのが辛かったです。
当直の制度も病院によって違い、日中の勤務後からそのまま当直に入るという場合もあれば当直の日は夕方から次の日の朝までの勤務という場合もあります。代休の有無なども病院によって違いがあります。就職活動の際はよく確認しておくと良いでしょう。
薬局やドラッグストアと比べて薄給
大学病院は薬局やドラッグストアと比べてしまうと薄給です。生活に困るほどではありませんが、他の職場で働く同級生の給料や薬学部の学費を考えると辛くなってくる給料です。昇給も少ないです。レジデントとして採用している病院だとさらに薄給になることもあります。最初は薄給でも認定薬剤師や専門薬剤師の資格を取得してより良い条件で転職することが期待できますが、早くがっつり稼ぎたいという人にはおすすめできない環境です。
そもそも給料は二の次でスキルアップしたい、勉強したい、という考え方の人が多いです。しっかり稼いでいきたいと考えている人は周囲との考え方の違いに辛くなってしまうことがあるかもしれません。
まとめ
大学病院薬剤師は薬剤師として積極的にスキルアップしていきたい人や、ある分野の専門性を高めて資格取得を目指したいという人にはとてもおすすめできます。
新卒での採用が主になっている大学病院が多いため、興味がある薬学生はぜひ新卒で入ることをおすすめします。中途採用をしている大学病院もあります。積極的にスキルアップしていきたい人は中途採用のチャンスを狙ってみるのも良いでしょう。
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